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日本精神科病院協会 精神医学会(埼玉)に参加してきました

平成25年11月14・15日に日本精神科病院協会主催の精神医学会に参加しました。

学会前日
前泊し翌日の準備。明日からは学会発表なので入念に練習しました。

学会1日目

発表当日。当院からは3名が発表を行いました。

表題:重度認知症患者デイケアに通う、意味性認知症患者とその家族への関わり

作業療法士:松本洋美

第2回日本精神科医学会学術大会に参加し、表題をテーマに発表を行ってきました。
この患者様は、意味性認知症という疾患特有の行動障害により、ご家族様の介護負担が大きくなり、在宅生活の継続が難しくなっていた症例でした。当デイケアに通所し、作業療法として患者様の残存機能を評価し、行動障害を問題行動ではなく、活動を行う上での一つの手段としてうまく活かす事で、患者様に合ったプログラムを提供できた事。主治医・他機関と常に連携を図り支援した事。それらがご家族様の介護負担の軽減に繋がり、患者様の在宅生活が維持できた事を報告しました。
今回の発表を通して、患者様、ご家族様に対し作業療法士として、重度認知症患者デイケアとして何ができ、何が必要なのかを改めて考える良い機会となりました。また、他病院の報告やシンポジウムでは様々な職種の視点での認知症ケアへの取り組み等を知る事ができ大変有意義な時間を過ごせました。
今回の学会で得られた事を日々のケアに活かし、患者様、ご家族様の在宅生活を支援していきたいと思います。

表題:妄想等のBPSDにより入院が続いた認知症患者への関わり

作業療法士:和地麻理

BPSDとは認知症の中核症状(記憶障害や見当識障害等)に伴い、徘徊や妄想、暴力等、その人の認知症の状態に加え、生活歴や環境等が要因となって出現する症状を言います。症状が強く現れる人もいれば、それほど現れない人もいて、現れる症状も人それぞれです。これらを改善するには、馴染みの環境や安心できる環境を作る等、その方への関わりや環境を調整することで改善できると言われています。
今回は、当院の認知症治療病棟に入院していた患者様で、認知症の進行に伴い、環境の変化等から妄想や暴力等のBPSDが強く出現し、入院生活が続いていた患者様との関わりについて発表させていただきました。
日常では、ついその場限りの関わりとなってしまうこともありますが、それは症状と対応の悪循環を招く恐れがあります。BPSDには必ず何らかの理由があり、それを明らかにして関わっていくことで本当の改善に向かうことを改めて学びました。
当病棟にはBPSDにより在宅や施設での生活が困難になって入院される方がたくさんおられます。今回の経験を活かし、その方が元の地域で再び穏やかな生活が取り戻せるようにお手伝いができるよう、日々努力していきたいと思います。

表題:治療グループでの様子から境界性人格構造があると見立て復職支援を行った症例

作業療法士:西田那央

私は、復職支援プログラム『リワークデイケア』に携わっています。このプログラムは、休職中の方に対し、復職後継続して働く事が出来るように支援します。少人数のグループ制で、復職への不安や復職に関して気になる事を話し合ったり、ストレスな場面の乗り越え方を考えたりと、ディスカッションを通して行っています。今回、『治療グループでの様子から境界性人格構造があると見立て復職支援を行った症例』という内容で発表を行いました。症例は、診断名は双極性感情障害ですが、治療グループの中で極端な言動や対人関係での情緒不安定等を表出した為、背景に境界性人格構造があると見立て介入を行いました。言動が極端になった際には中庸な思考になるように指摘を行ったり、職場での行動がグループで再現されている事を自覚出来るように支援を行いました。これにより、極端ではない柔軟な思考を心がけるようになり、それに伴い、グループ内での人間関係も良好になっていきました。その後は復職され、継続して勤務する事が出来ています。対象者の障害像を見立てて介入する事の大切さを改めて学んだ症例でした。現在、プログラム参加者の障害像は多様になってきており、それぞれに対応できるような支援が求められています。今回の経験を活かし、今後もより良いプログラムを提供していきたいと考えております。

学会2日目

今後の臨床に活かす為、多くの講演や発表を聞いて回りました。 他病院の取り組みも非常に興味深く、とても有意義な時間となりました。

 

 

 

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