採用最新情報

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日本精神科病院協会 精神医学会(札幌)に参加してきました

今回、初めての試みとして、各職種より代表者を選出し、平成23年7月14、15日に札幌で行われました、日本精神科病院協会の精神医学会に参加してきました。

1日目

入念なプレゼンの準備をし、いよいよ札幌に向けて出発です。昨年開港した茨城空港か ら新千歳空港に向けて飛行機が飛び立ちました。
何で戦闘機なのか?実は茨城空港は自衛隊の 基地の隣にあります。その為か戦闘機が展示されていましたので、その前で記念写真です。どこで記念写真を撮ればいいのか迷いました。
学会に向けての緊張なのか、飛行機が不安なのか、札幌の色々な事が楽しみでしょうがないのか、みんなドキドキです。ちなみにこの日の茨城の気温は30度を超えていましたが、札幌は20度前後でした。到着するとあまりの気温の違いにびっくりです。涼し〜い!!

2日目

いよいよ学会初日です。今日は口頭発表が行われました。先陣を切るのは西田さん(作業療法士)と河井さん(看護師)です。2人とも初めての発表でした。ちなみに私は河井さんとの共同発表です。

表題:デイケアに通う陰性症状の強い高齢期統合失調症者との関わり
   〜介入前後にMOHOSTを使用して〜

作業療法士:西田奈央

今回、日本精神科病院協会精神医学会に参加させて頂き、貴重な経験をさせて頂きまし た。学会で発表する事は初めてで、色々な方からアドバイスを頂きながら発表原稿を作りました。ご指導を頂いた事で、相手に「伝える」事の難しさを痛感しました。発表はとても緊張しましたが、沢山の方に聞いて頂けた事を嬉しく思います。今後も学会等で発表する機会があると思うので、今回の経験を活かしていきたいと思います。
今回学会に参加したことで、普段なかなか知る事の出来ない、他の精神科病院の活動を知ることが出来てとても刺激になりました。また、私は今まで作業療法の学会以外は参加したことがなかった為、今回の様な、多職種が参加している学会は初めての経験でした。様々な職種の視点からみた発表を聞けたことがとても新鮮で、2日間のプログラムはあっという間に時間が過ぎてしまいました。これから、学会に参加して得た経験を日常の業務に活かしていきたいと思います。

表題:精神科急性期病棟における多職種治療プログラムについて

看護師:河井達哉

発表内容としては、多職種治療プログラムを行うことで、患者様は回復過程にある他患者様と関わることとなり、それが患者様にとって回復へのモデルとなり、患者様自身の強い不安を和らげる効果があると考えられたこと。また同様の悩みを持つ他患者様とプログラムに参加することで、症状の普遍性やグループの凝集性の観点から患者様の内省過程を助ける効果があることが示唆され、こういった治療グループの構造が、不安を抱えながらも自身と向き合うプロセスを支えていると考えられること。加えて病棟に多職種治療プログラムがあることで、職種間のディスカッションが活発になり、プログラム以外でも一貫した関わりが行えるという効果が考えられ、そしてそれらが病棟の治療文化の醸成に繋がっていくことが考えられる、といった内容です。
今回、日精協の学会に参加し、他病院の取り組みや様々な職種の研究を知り、病棟を運営していく上でとても良い刺激となったと共に、良い参考となりました。
今後、この貴重な学びや経験を活かしていきたいと思います。


もちろん夜はお疲れさん会でした。西田さん、河井さんお疲れ様でした。明日に発表を控えている3人はまだまだ肩の荷はおりていませんよ!!

文責:進藤


学会の一場面。真剣に発表について議論しています


3日目

学会2日目はポスター発表です。島田さん(事務)、鈴木さん(薬剤師)、菅谷さん(精神保健福祉士)の3人です。鈴木さん、もう学会発表は慣れた感じで余裕の表情です。

表題:入院未収金者へのアプローチ

事務:島田友

今回の医学会では当院を含めて3病院が未収金を題材とした発表を行いました。
発表時には、未収金の発表を聞く為に沢山の方々が集まっており、未収金に対しての質問も多く、未収金は全国の病院で重要視される大きな問題となっている事を実感しました。
質問や、未収金の発表を行った他病院との話の中で、未収金は事務職員だけではなく、多職種と連携を取り合い、情報を共有し、病院全体で未収金の回収や防止の活動を行わなければならない事等を学びました。
今回精神医学会に初めて参加をさせて頂き、当院での成果を他病院の方々に知って頂く事を目標として参加しましたが、未収金の発表以外にも当院で取り組みを検討している発表があり、とても興味深く、勉強になる医学会でした。
そして、院内で今後必要な情報を収集する為には、自身の配属している部署の情報だけでなく、院内の他職種の動きも代表者は把握し、参加に望まないといけないことを勉強しました。
発表した内容で終わらせるのではなく、医学会で学んだことを活かし、「入院未収金者へのアプローチ」の研究も継続して行い、当院全体の情報をいち早く収集出来る部署にしていきたいと思います。

表題:服薬介助の負担感に関する調査

薬剤師:鈴木弘道

7月14〜15日に札幌で開催された精神医学会に参加しポスター発表してきました。これは、認知症患者が医師の指示通りに服薬するためには服薬介助を要することが多いため、介護者が服薬介助についてどのような点に負担を感じているかを把握することを目的として行ったアンケート調査です。96%の介護者は何らかの服薬介助行っており、66.2%の介護者は薬の管理に関する負担感を感じており、さらに76.9%の方は服薬介助の負担感を感じていました。さらに、重回帰分析の結果より、服薬介助の負担感に影響を与える因子として『薬の管理に関する負担感』、『服薬介助の程度』が考えられました。薬の管理負担を軽減することで、介護者の負担を軽減できることが示唆されました。
今回の発表を通じて、様々な職種の方とディスカッションをすることができて、知識を深めることができました。今回の経験を踏まえて、これから主介護者の介護負担を考慮した処方設計をすることで、介護の負担となりにくい薬物治療を提供し、介護者と要介護者が共に歩んでいけるようサポートしていきます。


学会の一場面。みんなで大取りの菅谷さんを激励です。逆にプレッシャーがかかっているかも。


表題:長期入院者と地域との交流

精神保健福祉士:菅谷文嗣

この取り組みは療養型の開放病棟と閉鎖病棟に入院中の患者様で、那珂市に住所のある方を対象としてスタートしました。
取り組みの目的は、長期入院者が退院したい気持ちになることです。そのために、長い入院でわからなくなった地域の今の情報を知ることで退院についての不安を軽減出来るよう、患者様が利用できそうな店や福祉バス、保健センターの機能などを紹介していきます。その紹介については病院職員よりも地域に詳しい市の職員の方に参加して頂き、話をして頂きました。
月に1度で全6回実施しましたが、回を重ねるごとに退院へ向けて話が進んでいく方も数名いました。交流会で退院することへの不安を話し、地域の職員の方から社会資源を利用しての解決策を提案して頂いたり、参加者同士でもアドバイスをしたりと、それによって退院に少し前向きになるということも見られました。
学会で報告した事で自分達の取り組みについて改めて見直すことが出来、質問や意見を頂くなど大変勉強になりました。今回の経験を今後の退院促進にも活かしていきたいと思います。



みんな無事に発表が終わりました。学会に来ると、自分の発表だけではなく、他の病院の方々の取り組みもきけるのでモチベーションアップになりますね。こういった機会を与えてもらったことに感謝です。夜は、解放感と充実感を抱えながら、みんな札幌の街に消えていきました・・・。もちろん〆はラーメンでした。

学会参加は初めてのスタッフが多く、前日から入念なリハーサルや妙な緊張感が漂っていましたが、当日はフロアの方々から様々なご質問・ご意見を頂きました。
札幌は肌寒い程の気温であいにくのお天気でしたが、北海道の美味しい食べ物やお酒も少々味わい、勉強ありとリフレッシュありのメリハリのある有意義な学会参加となりました。
帰りの飛行機から茨城空港に降り立ったときの第1声は「暑い〜!!札幌に帰りたい。」でした。気温20度から34度の世界へ逆戻りです。そんな暑い中でもこの経験を生かして毎日仕事に汗を流す6人です。

文責:進藤

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