看護師の一週間

デイケア・薄井たまき
「社会に出るための第一歩を、デイケアで全力支援していきたい」

月曜日
デイケア施設での1日の流れと、良好で前向きな職場の雰囲気。

利用者の皆様を送迎バスで迎えに行く8時45分から9時30分の間に、施設で昨日あった出来事や、本日の業務内容などについて、朝の申し送りを行ないます。利用者の皆様が到着したら朝の会を経て、午前中のプログラムを開始。昼食は11時25分からと、少々早め。全員で食事をしながら、利用者様が、きちんと食べているか、表情や様子に変わりはないかを確認し、健康や精神状態の把握に努めます。12時45分から始まる午後のプログラムの前に、職員は午後の部のための打ち合わせ。プログラム終了後には帰りの会を行ない、皆様が送迎バスで帰宅する15時30分から、利用者様1人ひとりのカルテを記入したり、栗田病院への外来カルテを確認し、どのような言動をしているかなどを理解するなどして、今後のケアのための分析を行ないます。退社するのは17時ぐらいという時間が多いですね。

看護師が私を含め3名。精神保健福祉士が2名。作業療法士が3名。臨床心理が1名。以上、計9名が、当デイケア施設の構成メンバー。全員で「もっと良くするためにああしよう」、「こうしたらどうだろう」と、利用者様を想い、積極的にコミュニケーションを取れる人たちだから、雰囲気は非常に良好。とても働きやすく、また、働きがいに満ちた職場だと、私はいつも感じています。

火曜日
プログラムを通して、現在と未来の充実に繋げたい。

午前と午後に日替わりの内容で行なわれるプログラムは、各担当者が主導となって、利用者の皆様の活き活きとした時間をサポートしています。プログラムは、やはり職員みんなで意見を出し合い、より充実した内容を目指してつくられたもの。今、特に人気があるのはパソコン教室。「しっかりと覚えたい」という利用者様のリクエストに対応し、プログラム内容を再構築しました。若い方々の将来へ向けた就労にも役立てたいと考えています。コンビニエンスでのアルバイトでもパソコンで入力する時代。いざ就労しようとした時に「マウスは触ったことがありません」では、本人が苦労すると想いますから。

就労に関連する部分では、ジョブワークというプログラムもあります。以前、当デイケアを利用してくださった経験があり、今は就労されている方を招き、仕事についての話をしてもらう内容です。その流れで、今後は皆様と会社見学もしていこうと話し合っています。

水曜日
デイケア以外の活動にも、常に発見がいっぱい。

水曜日は施設の休館日。看護師である私たちは、ローテーションで、訪問看護のお手伝いを行ないます。3件から4件の患者様のご自宅を訪ね、血圧測定や、体調についてのヒアリング、家庭内できちんと薬を飲めているか確認する服薬などを行ない、患者様の健康を管理。休館日での訪問看護ということもあり、デイケアを利用している患者様のお宅が多いため、施設と自宅での違いに気づけること多く、興味深い時間になっていますね。

訪問看護は正午過ぎぐらいに終了するので、午後は多くの機会を設けていただいている研修に参加することもあります。もちろん各種研修は水曜日以外に行なわれることもあり、その場合、職員が交代で参加するシステムができあがっているので、とてもありがたいと感じますね。専門的な知識を持つためのものから、職員同士や利用者様との人間関係を深くするための研修など様々なカリキュラムで、どれも大変勉強になります。「この知識は、デイケアでこう応用できる」など、常に発見があるんです。

木曜日
利用者様にとって重要なプログラムの役割。

今日のプログラムは、私が担当するフィットネス&ウォーキング。本来は月曜日に行なわれる内容ですが、今週は変更があって木曜日になりました。私自身、体を動かすことが大好きで開始することになったプログラムです。運動系の内容としてストレッチがありましたが、より利用者様の興味を惹くものにしようと話し合い、このプログラムが新設されました。やはり皆様も体を動かして爽快な気分になるのが好きなんですね。楽しい気分で参加していただけるよう、曲も若々しくリズミカルなものを選んでいます(笑)。文科系にしても運動系にしても、プログラム、ひいてはデイケアへの参加は、各利用者様にとって、外の世界に向かっていくための始めの第一歩。少しでも皆様のお役に立てたら、との想いが強いですね。ちなみに私が担当するものの中に、女の花園というプログラムがあります。参加条件は30代から50代の女性限定で、ファッションやダイエットなど、女性が気になる話題をテーマに、井戸端会議的におしゃべりして楽しい時間をすごそうという内容なのですが、その奇抜なネーミングから、栗田病院内の各方面で様々な誤解と論議を呼んでいるようです(笑)。

金曜日
デイケアで発揮する、様々な有効活用。

今週は水曜日に訪問看護で出勤したため、金曜日に休日をいただきました。業務状況の多忙さを判断し、人員的に余裕がある時に、水曜出勤者のお休みを調整。今日がその日で、私はまず本屋へ出かけました。これは職業病なのか、ついつい「デイケアのプログラムや、利用者様への接し方、勉強になるようなヒントはないかな?」と、探してしまいます(笑)。本屋さんを出てからは、スポーツジムへ。趣味のフィットネスで思いきり汗をかき、体も心も存分にリフレッシュ! インストラクターさんの動きや教え方も、プログラムに反映できることはないか、隙あらば取り入れようと、体を動かしながら観察しています。

ジムワークを終え、帰宅。ふと、昔のことを思い出しました。私が最初に選んだ仕事は保険士。市町村などで5年間勤め、成人病検診や、ご年配の方、赤ちゃんの検診で、多くのご家庭へ出向いたものです。入浴車で移動し、入浴介助を行なったことも多々あります。結婚・子育ての期間でブランクがあり、その後は看護科のある高校の教師を、3年間勤めました。そして今の栗田病院に転職。いろいろ調べ、持っている資格を有効活用できることがわかったことと、もともと精神医療に強い興味を感じていたので、応募させていただきました。どの仕事にも共通しているのですが、私は人と関わることが好きなので、それぞれの仕事場で頑張れたのではないかと振り返っています。

土曜日
看護師として、心がける利用者様の体調と心の管理。

大部分の時間を占めるプログラム中も含め、特に注意しているのは、利用者様の体調管理の面。朝は調子が良かったけど午後になり頭が痛くなったり、精神状態が不安になってしまうケースもあるので、常に皆様の体調はしっかりと観察しています。必要と判断すれば、外来の看護師や主治医の先生に連絡するなどして、母体である栗田病院での診察に臨むんです。デイケアと病院とで連携が取れる体制という安心感はありますね。ですから、利用者様との会話は「昨日は暑かったけど、体調は問題なかった?」、「今日は調子いいかな?」、「さっき、ウトウトしていたけど、昨日、夜ふかししちゃったのかな?」など、体調に関係するものが自然と多くなります。また「先週、こんな心配事を話してくれたけど、あれからどうなったか?」と、以前の情報を基に、少しでも利用者様の精神状況をフォローできるようにも心がけているんです。

今日、嬉しいことがありました。デイケアをしばらく休んでいた方が、来てくれたのです。姿を見せない間に何かあったのではと、とても心配になり、先週、電話してみたところ、声が元気そうで一安心。しばらく近況報告をし合っているうちに「じゃあ、また行きます」と言ってくれました。そして今週。その利用者様にとっては久々の参加でしたが、周囲の皆様とも打ち解けて話していた様子。プログラムも楽しく行なっていたので、とても嬉しかったです。

日曜日
好奇心と家族の応援が、何よりの支え。

全職員にとっての休日です。私にとって日曜日は、家族と共に過ごす大切な時間。現在勤めるデイケアの仕事は「以前の職種と比べて、働く時間が規則正しいから、体が楽になって良かった。」と言ってくれますし、応援もしてくれています。だから頑張れるんですよね。デイケアでの業務は、本当にやりがいを持って取り組める仕事です。家族からの支えも背景に、体力が続く限り、この仕事に取り組んでいきたいと思っています。

私の働くモチベーションは「(“」”削除)なになに?どれどれ?見せてほしい精神」(笑)。いくつになってもかげりを見せない旺盛な好奇心です。未来の仲間になってほしいのは、そういう好奇心があって、なおかつ人と接することが好きな人ですね。看護職としては、精神科ということで躊躇してしまう人もいるかもしれませんが、一度経験してもらえたら、非常にやりがいのある仕事ということも理解してもらえると思います。精神科=怖いというイメージを持たずに、飛び込んできてもらいたいですね。

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