こころの教室とは、統合失調症の患者様を対象に「自ら病気と向き合っていけるようになる」ことを目標に行っている治療グループです。
こころの教室では統合失調症について、薬物療法について、ストレスの対処法などの知識の提供を行い、病気を理解し治療意欲を高める心理的サポートを行っています。
1クール5名前後のグループで実施しています。これは、こころの教室は、単純な疾患教育の枠をこえて、患者様同士で自らの体験を語り合い、他の人の体験をきき合うという、集団療法的体験を大切にしているからです。
「病気と向き合っていけるようになる」とは、つまり病識を獲得することです。しかし、病識を獲得することは、病気についての知識を獲得することと同義ではありません。
病識の獲得には、「健康であった自分(と感じていた自分)」を失い、「病気の自分であること、あるいはあったこと」を引き受けていくプロセスを含んでいます。
そこにはさまざまな「痛み」や「葛藤」が伴うと言えます。
私たち心理教育チームは、疾患教育に加え、患者様が様々な葛藤を経ながら、病気である自分を受け入れられるような心理的サポートが重要であると考えています。