有朋会が約束する3つの「人材たいせつ」

先輩からのメッセージ

2011年入社 准看護師 小薗江直美(水戸医師会看護専門学校)
精神療養病棟 勤務

Q1:院内ではどのような活動を行っていますか?

普段は慢性期の方が入院されている療養病棟に勤務しています。比較的入院期間が長期の方が多い病棟であり、ADLの低下している患者様も多いので、個別性を重視し、家族に近い存在で看護できるよう心掛けています。
関わっている活動の中で中心となるのは、火曜と木曜の週2回開かれる「こころの教室」という心理教育プログラムです。「こころの教室」とは、統合失調症と診断を受けた患者様を対象に症状や原因、それに対する薬物療法やストレスの対処法などの知識の提供を行い、病気を理解し治療意欲を高める心理的サポートを行う治療グループです。スタッフは医師・看護師・薬剤師・臨床心理士・作業療法士・精神保健福祉士で構成され、当院に入院中または外来通院中の患者様が対象となります。
この教室は平成24年7月から始まり、年に60人以上参加されています。参加された患者様からは、「この教室に参加するまで自分の病気がどういうものか分からなかった」、「自分の病気と向き合う事ができた」という声が多く聞かれ、心理教育の必要性を改めて感じているところです。患者様によっては、2、3度目の参加から目に見えて変化の現れる方もいます。これは携わっている職員のモチベーションの増加にも繋がります。

Q2:印象に残っているエピソードは?

急性期病棟に入院中の20代男性の患者様と外来通院中の40代女性の患者様が同じグループになり教室に参加された時のエピソードです。
男性患者様が自身の体験談を振り返っている場面で、急に症状に変化が見られ、落ち着かなくなり、悲観的な言動を繰り返す様子が見られました。過去の恐怖体験を回想して大きなストレスが掛かり、不安定な状態になったと思うのですが、女性患者様から「○○さんの気持ちはすごく分かります。でも、取り返しのつかない事は無いんだよ。」と親身で温かい言葉掛けがあり、男性患者様はその言葉をキッカケに次第に落ち着きを取り戻していきました。つらい経験をしてきた患者様同士ならではのやりとりに驚きと感動を覚えました。こういったエピソードをもとに医療者として、患者様に必要な事はなにかを常に追求し、患者様本来の力を取り戻せるようなお手伝いができればと思っています。

Q3:今後の目標は?

心理教育に携わって深く感じる事は、一人ひとりの患者様と関わる時間は一つとして同じものはなく、貴重な時間であり、私たち医療者の発した言動は患者様に大きな影響を与えます。私たち医療者が患者様にとって信頼できる存在であるために、豊富な知識の習得が必要です。
そして自分の考えだけにとらわれず、多職種で連携し、情報共有によって生まれる幅広い視点を活用した心理教育の実践を目指していきたいです。
また、統合失調症の治療の中で再発防止はとても大きく難しい課題となっています。少しでもこの課題に近づけるよう「こころの教室」を通して学べていきたいと思っています。

 

 


 

 

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